2011年1月4日火曜日

十一面観音


人々のさまざまな苦難に対応するため、すべての方向に顔を向けた観音で、変化観音のもっとも早く考え出された。

十一面の配置は多くの場合,正面の三面は穏やかな慈悲の菩薩相。左の三面が恐ろしい怒りを現わした瞋怒相。右の三面は一見菩薩相に似ていて、しかし上方に牙をむき出している白牙上出相。後部の一面は大笑している大笑相。そして頭頂には正面を向いて、如来相がつけられている。
 左手に水瓶を持ち、右手は前に向けて開く施無異手の二臂(二本の腕)像が多いが密教の経典には四臂や八臂の像も説かれる。
 単語表:
苦難 くなん 
suffering
変化観音 へんげかんのん literally “Kannon Transformations.”  A general term for the many manifestations and supernatural forms assumed by Kannon. 
慈悲の菩薩相 じひのぼさつそう  an expression of Bodhisattva's compassion
瞋怒相 しんぬそう an angry expression found on Buddhist images.  
牙  きば  a fang
白牙上出相  くげじょうしゅつそう a plain face with fang
大笑相  だいしょうそう a laughing face
如来相  にょらいそう an image of Amida
水瓶  すいびん a water jar
施無異手  せむいしゅ a mudra of the absence of fear
密教  みっきょう esoteric Buddhism
経典   きょうてん a sutra


 

2010年10月31日日曜日

観音・聖観音

    私はワルシャワ大学の日本学科修士課程の二年生で、観音菩薩像について卒業論文をかこうと思います。なぜなら観音信仰はとても面白くて、像は私につよい印象を受けていたからです。仏教の象徴的な意味をよく現すと思います。
    観音(梵語Avalokiteśvara, Avalokitasvara)は、正しくは観世音菩薩・観自在という慈悲の仏です。諸菩薩の中でも、もっとも広く信仰されている姿です。観音とは人々の救いを求める声(音)を観じると、すぐに救済の手を差し伸べるという意味です。
延暦寺「聖観音菩薩立像」(平安時代 重要文化財)
     聖観音は多くの観音のなかの基本となるもので、普通に観音といえばこの聖観音をさします。やがて、6、7世紀になると、十一面観音や千手観音といった、いわゆる変化観音が現れ、その結果、変化観音と区別するために聖観音・正観音などとよばれるようになりました。
聖観音像の基本的な姿は頭に宝冠をいただき、体には天衣をまとい、耳飾りや胸飾り・腕輪などの美しい装具をつけて、左手に蕾の蓮華を持ち、右手の指先でその花びらを開かせようとする形が多いです。蕾の蓮華は容易に悟ることができない人々の心を、右手の先指はそれを開かせようとする仏心を意味しています。


単語表:
梵語  ぼんご Sanskrit
観世音・観自在 かんぜおん・かんじざい other Japanese names for Kannon
菩薩  ぼさつ Bodhisattva
慈悲  じひ mercy
救済  きゅうさい relief
十一面観音  じゅういちめんかんのん 11 Headed Kannon  
千手観音  せんじゅかんのん 1000 Armed Kannon
変化観音  へんげかんのん  literally “Kannon Transformations.”  A general term for the many manifestations and supernatural forms assumed by Kannon. 
宝冠  ほうかん  a crown
装具  そうぐ an outfit
蕾  つぼみ a bud
蓮華  れんげ a lotus flower
悟る  さとる attain enlightenment